JIMTOF2024 取材レポート前編
2024/12/04金森産業工業材料部
お客様の最も身近な塗料の専門家になることを目指し日々精進しております。塗料に関するアレコレ、なんでもお気軽にお問合せ下さい。
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JIMTOF2024(第 32 回 日本国際工作機械見本市)は、2024年11月5日(火)から11月 10 日(日)の6日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて開催された。今回のテーマは『技術のタスキで未来へつなぐ』。出展数は世界19の国と地域から1,262社、5,743小間となっており、過去最大規模となっています。来場者数は15万人となり、前回の「JIMTOF2022」を上回り、過去最大となりました。
JIMTOF2024では、工作機械や工作機器、切削工具や耐摩耗工具などの工作工具、精密測定機器、光学測定機器、試験機器、制御装置、CAD、CAMなどの関連ソフトウエアといった、製造業全般に関わる最新製品・技術が紹介されました。
前回の「JIMTOF2022」では、工作機械の塗色や塗装仕様について各メーカーにインタビューを行った。今回も工作機械メーカー各社に工作機械の塗装について取材した内容を紹介します。
製造業全般の課題として、人手不足やエネルギーや材料費・人件費の高騰が挙げられます。工作機械については自動化、加工精度を上げることによって二次加工の削減、加工時間削減による効率改善など、各社さまざまな角度からこれらの課題に対するソリューション提案が行われていました。
工作機械の塗装については、全体的に溶剤塗装が多い印象を受けました。溶剤塗装は粉体塗装に比べ大がかりな設備を必要としないことからも選ばれているようです。その一方で、大手工作機械メーカーでは環境保護、また作業者の労働安全という観点から脱VOC(揮発性有機化合物)の一環として、工作機械の塗装を粉体塗装に変更するという方策を取っています。
粉体塗装への転換はまだ始まったばかりであり、ユーザーの反応含めまだまだ手探りの状況ではあるということだが、今後は同様の流れが他社でも起こるのかが注目されます。
メーカーが塗装に求めることとして、一番に挙げられるのはやはり耐久性です。とくに工作機械内部は常に切削油やクーラントが接触する上に、切粉などで物理的に傷がついてしまうことから非常に過酷な条件となり、塗装剥がれは頻発しています。クレームも多いことから、無塗装という選択を取るメーカーも。
一方で、塗装がある方が背景とワークとの色の違いが出ることから視認性が向上するため、より耐久性の高い塗料を求める声も聞かれました。
工作機械内部の塗装については、24時間稼働の工場などでは稼働開始半年ほどで剥がれてしまうという話もあり、工作機械の耐用年数の仕様が10年程度であることを考えても、更なる耐久性の向上が望まれます。
現在の工作機械の塗装が溶剤塗装か粉体塗装であるというのも、やはり耐久性を重視してという意見が多く、自動車などで使用が広がっているフィルムコーティングやより環境にやさしい水性塗料については耐久性の面から懸念が聞こえました。
逆に言えば、工作機械メーカーが求める耐久性を達成できる塗料であれば種類は問わないという面もあり、塗料メーカーの新技術の開発が待たれました。
JIMTOF2024ではヨーロッパを始め海外メーカーも多く出展していました。海外製工作機械は粉体塗装が多いという点について、環境配慮というファクターが注目される以前から、ヨーロッパでは粉体塗装が主流ということです。
粉体塗装では溶剤塗装に比べ、より工程が少なく安全なプロセスで塗装ができるという点が注目されていると同時に、工作機械そのものに対する考え方が日本とは異なるような印象を受けました。
ヨーロッパの工作機械は日本のものに比べ、大型でより多くの仕事量をなるべく人の手をかけずに行うことを目的に開発されているため、価格も高く、日本製の数倍値段となることも。人で行う作業と価格面のバランスのとり方が異なっています。
しかし人材不足によって日本製工作機械も自動化を推進し、より多機能化が進んでいる状況を考えると、機械の高額化は日本でも同様に進んでいくものと考えられます。これが塗装にどのような影響を与えるかは未知数ですが、日本メーカーでもヨーロッパをはじめとした海外への輸出を検討しているメーカーも多く、規制や基準の面から粉体塗装を選択するという話も聞かれました。
メーカー側に塗料などの規制・基準に関する情報が少なく、輸出の際に不安があるという声も。塗料メーカーや商社側から、こうした点について広く情報共有を行ってほしいという要望も現場からは上がっているようだ。
今回のJIMTOF2024では、脱炭素・脱VOCといった環境や労働者への配慮といった課題に対し、何かを諦めたり我慢したりするのではなく、技術で対応していこうというメッセージを感じました。日本のみならず世界で注目されている問題なだけに、今後も更なる広がりを見せていくものと思われます。
ただし、やはりメーカーとしてコスト増とどこまで向き合うのかという点において、まだまだ方向性や踏み込み度にバラつきが出ている印象を受けた。基準や規制面を含め、今後の動向が注目されます。
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