山崎志織
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
私たちが色を見るときに感じる視覚効果の1つに、補色残像があります。補色残像とは、有彩色をしばらく見つめた後、白い紙や壁に目を移すとその色と反対の色(補色)が見える現象のことです。今回は補色残像が見える仕組みと活用例についてご紹介します。
まず下の図の青い丸の中にある点を10秒ほど、疲れない程度に見つめてみましょう。その後、隣の点に視線を移してみてください。
いかがでしょうか。黄色の丸が見えるのではないでしょうか。この現象を補色残像と言います。また、残像で見える色は心理補色と言います。
この現象が起きるのは、私たちが色を認識する仕組みに起因しています。少し難しいのですが、目から入った光は、目の奥に存在する光センサーである錐体(すいたい)が感知します。錐体は3種類あり、それぞれ赤・緑・青の光をキャッチする役割があります。
感知した情報は、「赤-緑」と「青-黄」という2つの組に変換されます。この段階で、その色が赤か緑か、赤みが強いか、緑みが強いか、青か黄か、青みが強いか、黄みが強いかを判断します。ちなみに橙の場合は、上記の組み分けにより赤みが強く、黄みが強いと感知することから、橙だと認識することができます。
ではなぜ、同じ色を見続けると反対の色が見えるようになるのでしょうか。これは、「赤-緑」を感知する細胞が赤を感知し続けたとき、やがて赤の刺激に慣れてきて、赤に対する反応が弱くなっていきます。すると、赤の対となっている緑の信号が出てくるようになります。このとき、赤の刺激を一瞬で画面から消すと、画面が緑色に見えるのです。これが、補色残像が現れる仕組みです。
この補色残像が活用されている代表的な場所が病院の手術室です。血の赤を見続けていると、仮に白の服や壁に視線を移したときに、補色残像で現れた緑が視界を邪魔してしまいます。なので、手術着や手術室の壁の色に薄い緑色をほどこしたりすることもあります。
このように、人の目の特性を考慮して、特に命を扱う場所において視覚が業務の妨げとなってしまわないように色彩設計がなされています。
今回は、色を知覚する仕組みの中で起こる現象である補色残像をご紹介しました。色彩効果の豆知識としてぜひ覚えてみてくださいね。
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