「ラジエックス」の放熱イメージ
帝人フロンティア(大阪市・平田恭成社長)は10月8日、高熱伝導性の炭素素材グラフェンなどの特殊フィラー(充填剤)と高耐熱樹脂を組み合わせ、優れた放熱性・密着性・耐久性を実現する塗料「ラジエックス」を開発したと発表した。
電子機器の小型化・高性能化が進む中、半導体発熱による温度上昇は機器寿命や性能低下の要因となり、熱対策の重要性が高まっている。従来はヒートシンク(放熱板)などの部材で対応してきたが、部品の大型化により搭載スペースが制約され、放熱強化には限界があった。
同社はこうした課題に対し、放熱部材や筐体へ直接塗布して効率的に熱を逃がす新素材の開発を進め、「ラジエックス」の実用化に成功した。
本製品は、グラフェン粒子(粒径5~15μm)を含む複数の高熱伝導フィラーを均一に分散させることで高い熱伝導性を発揮。さらに異形状フィラーの組合せにより塗膜表面に微細構造を形成し、赤外線放射を促進して放射率を高める。
非シリコーン系の高耐熱樹脂を採用しており、-40℃~200℃の高温・高湿環境でも剥離せず、高い密着性と耐久性を保持。塗膜形成も容易で、部品形状を問わず安定した性能を示す。
これにより、回路や部品の簡素化・小型化、設計合理化、電子部品の温度低減による消費電力削減などが可能となる。
同社は2026年度中に、アルミニウムや銅など金属筐体を持つ電子機器および関連製品向けに販売を開始する予定。