山崎志織
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
前回の配色の基本編では、色の三属性(色相、明度、彩度)を理解し、色相環(図1)を利用した色相差の配色とトーン(図2)を利用した配色の2つのベーシックな配色理論をご紹介しました。
(図1)参考:DICカラーデザイン株式会社
(図2)参考:DICカラーデザイン株式会社
今回は今まで学んだテクニックから、さらにステップアップした配色方法を説明します。応用テクニックを使って、配色の幅をさらに広げていきましょう。
ドミナントとは英語で「優勢な」「支配的な」という意味です。ドミナントカラー配色は、明度や彩度が異なった3色以上の配色を、1つの同じ系統の色相で統一することで配色全体をまとめることができます。色相が1つにまとまっているため、赤系だと情熱的、青系だとクールというように、色のイメージが強調されます。色相は同一色相が基本ですが、統一感があれば色相差が1~3の隣接・類似色相を選択しても構いません。トーンは同一トーンから対照トーンまで幅広く選択することができます。
トーンを1つにまとめた配色がドミナントトーン配色です。こちらも3色以上の多色をまとまりよく配色したい場合に適しています。トーンが1つにまとまっているため、色相が多色であっても、かわいい、伝統的な、というように、そのトーンが持つイメージでまとめることができます。色相は自由に選択することができ、トーンは同一トーンが基本ですが、統一感を保つことができれば類似トーンも用いることができます。
トーンオントーンとは「トーンを重ねる」という意味です。ドミナントカラーの一種で、同系色相でトーンを重ねて、より明度差を出した配色になります。色相は統一されて落ち着いていますが、トーンに明度差があるためコントラストがあり明快な印象です。色相は同じ系統(同一色相・隣接色相・類似色相)で統一し、トーンは同一トーン以外の類似トーン、対照トーンを選び明度差を大きくつけます。
トーンイントーンとは「トーンの中で」という意味で、トーンが統一されたドミナントトーンの一種です。ドミナントトーン同様、トーンがもつイメージを表現しやすい配色になります。色相は自由に選ぶことができますが、明度差が大きくならないように選びます。
中明度、低~中彩度の中間色のみで構成する配色です。トーンでいうとd(ダル)トーン、sf(ソフト)トーン、ltg(ライトグレイッシュ)トーン、g(グレイッシュ)トーンのみを使った配色です。同一トーンまたは類似トーンの配色になるので、ドミナントトーン配色の一種になります。どの色相を用いても、穏やかで控えめな、落ち着いたイメージの配色になります。
カマイユとはフランス語で「単色画法」という意味で、単色だけで描く絵画技法のことです。カマイユ配色は色相もトーンもかなり近似しており、一見すると単色に見える配色です。ぼんやりとした曖昧な印象を与えます。色相は同一色相または隣接色相、トーンは同一または類似トーンの色で組み合わせます。
フォカマイユのフォは「まがいもの」という意味です。カマイユよりもわずかに色相やトーンに変化をつけた配色です。
アメリカの自然科学者ルードが著書のなかで「同じ色の葉でも自然光が当たるところは黄みがかって見え、日陰の暗いところは青みの緑に見える」ことを述べています。これを「色相の自然連鎖」と呼び、この法則に従った配色が、ナチュラルハーモニーとコンプレックスハーモニーです。
ナチュラルハーモニーは、配色のうち、色相環の黄に近い方の色相をより明るく、反対に青紫に近い色相をより暗くする配色です。例えば明るい黄緑と暗い緑、明るい水色と暗い青という組み合わせです。色相は隣接色相、類似色相のまとまりのある色相から選びます。
コンプレックスとは「複雑な」という意味です。ナチュラルハーモニーとは逆に、黄に近い色相をより暗く、青紫に近い色相をより明るくした配色です。暗いオレンジと明るい水色、暗い緑と明るい紫といった関係です。自然の中ではあまり見慣れない配色であることから「不調和の調和」とも呼ばれ、一風変わった印象や非日常的なイメージが表現できます。
今回は色相とトーンを活用した配色理論の応用テクニックをご紹介しました。配色理論を学ぶことで、目的に応じた多彩なイメージ表現をすることができるようになります。身の回りの配色に注目してみて、どんな手法が使われているかを考えてみるのもいいかもしれません。
引用文献
オグデン・ルード、『現代色彩学』、1879
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