山崎志織
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
2015年に国際連合(国連)採択されてから、日本でも少しずつ考え方が広がってきたSDGs(持続可能な開発目標)。17の目標をすべて認識していなくても、あの多彩な円形のピンバッチを見たらSDGsだと直感的に分かるくらいまでに浸透しているのではないでしょうか。
ちなみに、国連本部公式のピンバッチは、国内では購入できません。公式サイト(英語)から購入できます。公式ピンバッチは、ぷっくりと丸みのある加工がされていて、とても高級感があります。
今回は、SDGsの色とデザインをひもときながら、コーポレートカラーやデザインの考え方についてご紹介していきます。
SDGsのロゴをデザインしたのは、スウェーデン出身のクリエイティブディレクター、ヤーコブ・トロールベック(Jakob Tollback)氏です。
2014年に国連から仕事の依頼を受けたとき、17の目標と169項目のターゲットが難解な文章で複雑に書かれていました。
世界共通の目標を、70億人が直感的に分かるものでなければなりません。ヤーコブ氏は「情報とコミュニケーションは違う。デザイナーは意味があるものだけを残し、意味のないものをそぎ落とすことが仕事。」と語っています。
難解な言葉を、人々が行動に移せるようなデザインにすること。そして、よりポジティブに目標に向かっていると体感させる必要があると感じたヤーコブ氏は、誰でも分かりやすく、世界が1つの目標に包含されるという印象を込めて、太陽のような形状をデザイン。そして、各目標に色とりどりのテーマカラーをつけました。
専門家の中には、カラフルなものは真面目さに欠けるという意見もありました。しかし、子どもたちが本能的に多彩な色を好み、自然にはあらゆる色が存在するという世界を表現するため、17色のテーマカラーが決められました。
(参考)https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1192914_1501.html,https://www.wwdjapan.com/articles/910635,https://miraimedia.asahi.com/jakobtrollback/
太陽のように一つに合わさったカラーホイール。1つ1つの色について、ヤーコブ氏は言及していませんが、ビビッドな原色が多く使われていることが分かります。
鮮やかな原色は、国旗にも使われるほど、万人が直感的に認識しやすい色です。
子どもたちにも分かりやすい色にしたいと語ったヤーコブ氏の思いがこめられているようです。
色をみてみると、赤系4色、橙系1色、黄系4色、緑系3色、青系4色、赤紫1色とおおまかにわけることができます。
それぞれの色の一般的なイメージは、赤「アクティブ・情熱的」、橙「暖かい・陽気」、黄「明るい・好奇心」、緑「平和・調和」、青「誠実・安全」、赤紫「女性・幸福」が挙げられます。
特徴的なのは、紫が1つも入っていないことと、反対に黄系はさまざまな鮮やかさや色みが組み合わさっていて種類が豊富であることです。
紫は「洗練さ・シャープさ」のイメージを感じることがありますが、SDGsのテーマとは少しそぐわないかもしれません。逆に「明るい・好奇心」といったポジティブなイメージとして受け取られやすい黄系が多く入っているのは、見る人に明るい印象を与えるだけでなく、デザイナーの目標を前向きにとらえてほしいというメッセージが、色のイメージで表現されているのではないでしょうか。
そして、最後にブルーのロゴについてです。これについてもヤーコブ氏は色の選定について言及していませんが、一般的にブルーは世界共通して好まれる色といわれています。70億人がこのデザインでコミュニケーションを図るため、共通認識のおけるブルーを重要なロゴの色に選んだのかもしれません。
(参考)https://www.dic-color.com/knowledge/business/color_image.html,https://blog.iro-dori.net/useful/color/12832/
SDGsに限らず、近年の自治体や会社のコーポレートカラーには多色使いが見られるようになりました。
色がもつ「情熱」「冷静」「平和」などのイメージとリンクさせ、それらを集合させたデザインにより、さまざまな視野や考え方をもったその企業の多様性を、見る人に与えることができます。
また、1つの色にとらわれない、自由な配色の考え方も浸透してきているのではないでしょうか。
私たちが色のイメージを理解することで、よりデザインの意図や奥深さを味わうことができそうです。
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