コーティングジャパン東京展レポート後編
2023/01/16金森産業工業材料部
お客様の最も身近な塗料の専門家になることを目指し日々精進しております。塗料に関するアレコレ、なんでもお気軽にお問合せ下さい。
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「塗装プラントをデザインする」というコンセプトで、ワークの前処理、洗浄、水切り、乾燥といった実演を行っていました。生産現場における共通の課題である、人手不足問題、省エネルギー、環境への配慮そして品質の向上・安定への提案がされていました。
マギー Smart Drumではワークの前処理で使用した洗浄水に混ざっている鉄粉を磁力によって除去できます。1μから5μ程度の鉄粉まで除去することができ、除去率は90%です。自動車など、高い品質を求める業界にも対応できます。
さらに鉄粉以外のごみはスプリングフィルタが有効です。スプリングフィルタはその名の通りスプリング状のフィルタで、広げることで除去したごみを下に落とすことができます。フィルターの交換が不要でメンテナンスフリーのため、環境にもやさしくランニングコスト低減にもつながります。
注目を集めていたのはエアブローロボットです。
前処理後洗浄したワークの水切りをロボットが行うという画期的なシステムです。通常では、エアーコンプレッサーを使用して人力で行っていた作業を、ブロワーを用いてロボットで自動化します。圧縮エアーを用いていたよりも1/10程度のコストに抑えることができ、省人化、省エネが可能となります。
ロボットにはロータリージョイントが使用されており、ホースがねじれることがありません。
LINE-Xは強い耐衝撃性、耐爆破性を持ち、アメリカの国防総省本部通称ペンタゴンの外壁にも用いられています。日本国内でも原発の基礎やトンネルなど、耐久性が求められる構造物への採用されている実績のあるコーティング塗料です。
LINE-Xは構造物などへの施工のほかに、ピックアップトラックの荷台への塗装がオプション設定されているなどの展開はありますが、この塗料を用いた製品はまだ展開されていません。富士合成ではこのLINE-Xを用いた製品・商品化を目指し、さまざまな試作を行っています。塗装ラインを一部LINE-X専用とし、量産化に向けて従来の手吹きではなくスピンドル塗装で均一塗装できるように進めています。
LINE-Xは耐衝撃性だけでなく、耐薬品性、防水性、そして適度な柔軟性があり滑り止めとしての機能も優れています。今後は日用品メーカーと協力して「すべらない」キッチン用品のシリーズ展開していく予定です。
LINE-Xは発泡スチロールに塗装すると、ハンマーで叩いても壊れたり凹んだりすることはありません。LINE-Xで塗装することで、軽い材料に強靭な耐久性を持たせることが可能となります。膜厚は0.5mm~2mmまで設定することができ、塗装というよりは樹脂で覆うというイメージです。クリア塗装も可能ですが、膜厚が上がると透明性が下がってしまうという懸念があります。
富士合成ではこのLINE-Xを活かした商品のパートナーを探しています。多彩なアイディアをお待ちしております!
次世代新素材として注目を集めているCNF(セルロースナノファイバー)は、木材由来の環境にやさしい素材です。フジキでは独自の分散加工技術によって、CNFの特性を応用した製品を展開しています。
着氷防止塗料はCNFと植物性フィラー、無機物フィラーを組み合わせたもので、塗料に混ぜ合わせて使用します。吹き付け塗装も可能です。透明性もあり、発色が落ちることもありません。
塗料の層ではなくCNFの効果として着氷防止機能・はっ水性を持つため、薄いコーティングで効力を発揮します。無垢の木に塗装すれば、木目が潰れることもありません。
塗料なので鉄板、コンクリート、木材だけでなく樹脂や布製品にも応用が可能です。冷凍庫の霜防止などの用途でも使用されています。
建造物への積雪が大きくなることを防ぎ、落雪被害を防ぎます。
CNFは難燃剤としての効果もあります。
表面に吹き付けることで表面の発火・発煙をほぼ防ぐことができます。構造木材に含浸して耐火性を上げるのではなく、燃焼時に表面に炭化膜を形成することで燃え広がるのを防ぐ効果があります。溶剤にも混ざるため、プラスチックにも表面処理することができます。リン酸不使用で人体と環境にやさしい製品です。
コーティングジャパン2022東京展は、多くの来場者が訪れ活気に溢れていました。塗料・塗装においても、カーボンニュートラル、エコといった環境配慮がトレンドとなっています。塗装の施工現場や工場設備ではさらに省人化・省エネというキーワードが多く聞かれました。一方で新機能を持った塗料はどんどん発表されており、塗料で新たな付加価値を持たせることも期待されていると感じました。新機能の塗料についてはまだまだ製品や使用箇所へのアプローチが不足しているものも見られました。これらのマッチングによって新しいニーズの開拓が進むのではないかと期待します。