JIMTOF2022レポート後編 編集長突撃取材!工作機械の塗装仕様と今後
2022/12/05金森産業工業材料部
お客様の最も身近な塗料の専門家になることを目指し日々精進しております。塗料に関するアレコレ、なんでもお気軽にお問合せ下さい。
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汎用機や標準機として販売しているメーカーでは粉体塗装が多く、専用機では溶剤塗料を用いているという印象を受けました。その背景としては、専用機は汎用機に比べ、生産台数が少ないため少量で調色できる溶剤塗料が重宝されているものと思われます。
粉体塗装を使用しているメーカーでも、塗装箇所によっては溶剤塗装を使用しており、塗装方法が異なっても、違和感がないように色味を合わせているということです。
溶剤塗装で用いられるのは、耐切削油性などから、ウレタン塗装が主流となっています。
粉体塗装が選ばれている理由としては、塗膜が厚く、強度が高いことが挙げられます。しかし、粉体塗装はロットが大きいこともあり、専用機ではなかなか使用できないということもあるようです。
さらに粉体か溶剤かという塗装方法については、板金を納入するサプライヤーが持っている設備によるという声も聞こえました。社内に塗装工場を持っている場合でも、全ての部品を社内で塗装しているというメーカーは少なく、塗装はサプライヤーの影響が大きいようです。
社内にて塗装の検証・検査を行い、仕様の決定を行っているものの、具体的な方法についてはサプライヤーの影響の大きさが伺えます。
粉体塗装では模様塗装を行っているメーカーが多い印象です。模様塗装を選ぶ理由としては、板金の傷が目立たなくなるという声が多く聞かれました。
溶剤塗装でも、模様塗装を行っているメーカーもありました。
(模様塗装の例)
一方で、これまでは模様塗装を行っていたが、平滑に変更したというメーカーもあります。平滑を選んだ理由としては、納品前の検査を行ったあとのクリーニングの際、模様塗装では凹凸模様の中に入り込んでしまった汚れを落とすのが大変であるという生産部門からの声が反映されたためです。
平滑であれば、拭きあげた際に美しく見えるという点が好まれ選ばれているようです。艶消しホワイトを選択するメーカーが多い中、艶有りホワイトは新鮮に見えました。
また、模様塗装はコストが上がってしまうという点もデメリットとして挙げられました。
ほとんどのメーカーでは、機械内部にも塗装を施しています。
工作機械の内部は、鋭利な切子などが飛ぶことによって傷がつきやすい箇所です。切子によって塗装が傷つき、剥がれてしまう。場合によってはほとんど塗装が残らないこともあるようです。
しかし切削油が常に飛び散っている環境であるということもあり、塗装が剥がれても錆が出にくい雰囲気であるということから、ステンレスなどが使用されている例もあまり見られませんでした。
工作機器として、内部の塗装が剥がれたことで機能に影響はないため、さほど重視していないというのが各社共通の認識のようです。
工作機械を使用するユーザーとしても、「そういうものである」という認識が強く、機械内部の塗装剥がれによるクレームなどもあまり聞かないということでした。
現在の工作機械の多くには、ワークを目視で確認できる大きな窓がついているものが主流です。この窓はポリカーボネート製が多く、一部ガラスと合わせて使用されているものもありました。
窓は切削油などが多く吹き付けられ、長く使っているとだんだん曇ってしまいますが、これについても曇り止めの表面処理加工やフィルムなどを貼っているというメーカーは見られませんでした。
現場の声としても、最初のセッティングの際には内部を確認することがあるが、通常の業務の中ではそれほど見る機会もなく、切削油や切子が飛ぶのを防ぐためという意味合いが強いようです。
塗料メーカーとして展示を行っていたナトコでは、切削液試験を行っているサンプルの展示を行っていました。各メーカーへの取材の際にも切削油によって塗装が剥がれてしまうことについての声が聞かれました。
工作機械ユーザーが使用する切削油にはさまざまな種類があり、どのような切削油に対しても耐える塗装が求められているようです。
また、社会的な関心事として、環境への影響や脱溶剤といったテーマも注目されています。作業員の健康への配慮、環境配慮から脱溶剤ということで粉体塗装を選択するというのがトレンドとなっています。
しかし粉体塗装は焼付温度が高いことから、脱炭素という点では適さないというジレンマがあり、低温焼付が可能な塗料の開発が期待されています。
脱炭素、省エネルギーといった環境配慮は、今後塗料業界においても関心度の高いトピックになっていくことは間違いないでしょう。
工作機械というと、実用重視で武骨なイメージもありましたが、見比べてみると各社強みを活かした特色のある製品展開がされていました。
メーカーの方のお話では、塗料・塗装についてはあまり詳しくなく、独学で学んだり、サプライヤーからの提案を受けているという話も聞かれました。工作機械のユーザー側から、塗料や塗装について紹介や提案を受けることもあるということです。塗料・塗装はそういったメーカー側のニーズをくみ取って行くことが、今後ますます重要になっていくことでしょう。
今回は展示会ということもあり、お話を伺った方が必ずしも色や塗料に関わる方ではなかったということもあり、ご迷惑をおかけしてしまった部分もありますが、だからこそより生の声をお聞きすることができました。
取材にご協力いただきありがとうございました。
取材にご協力いただいた企業(五十音順・敬称略)
アマダ
オークマ
キタムラ機械
コマツNTC
ジェイテクト
渋谷工業
スギノマシン
ソディック
高松機械工業
津田駒工業
ナトコ
中村留精密工業
不二越
牧野フライス製作所
牧野フライス精機
ヤマザキマザック
碌々産業
DMG森精機
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