山崎志織
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
フリーライター。京都の大学卒業後、銀行、食品会社の販促企画・制作を経てライターへ。色によって人の心や行動が促される色彩心理が強く印象に残り、大学在学中に色彩検定1級を取得。その後カラースクールと出会い、幅広い分野の色彩知識や実践的な提案力を習得するなかで、色彩の言語表現に関心をもつ。現在は、色彩コラムや企業のブランディングに関わる記事執筆を手掛けているほか、カラースクールのアンバサダーを務めるなど、本質的な色の学びを普及する活動を行っている。
毎年、「今年の流行色はコレ!」として、トレンドカラーが発表されます。ファッションやインテリア業界でも流行色の商品がピックアップされ、私たちもその色に注目して、つい手に取ってしまうことも多いのではないでしょうか。
では、この流行色はいつ、誰が、どのように決めるかご存じですか? 今回はそんな流行色の決まり方についてご紹介します
その年の流行色は、実は2年前にすでに決められています。実シーズン(=商品が並び、消費者が手にとることができる段階)の約2年前に、インターカラー(国際流行色委員会)という日本を含めた世界十数ヵ国からなる国際組織によって、年に2回、実シーズンの春夏向け、秋冬向けの流行色が選ばれます。
インターカラーは、現在ヨーロッパ、アジア、アメリカの世界17ヵ国が参加しています。メンバーは、テキスタイル、ファッション、デザインなど、色が重要視されるあらゆる分野の主要企業で活躍している色彩のプロたちです。
インターカラーの会議では、代表者が特定のシーズンに向けてのカラー提案をし、その提案の軸となったコンセプト、ライフスタイル、環境について発表します。単に色を提案するのではなく、現代の本質をくみ取り、次世代に向けて共感を生むような世界観のあるカラー提案が行われます。各国のイメージボードは、繊維や光沢感のある素材などが貼られており、グラフィカルな提案にとどまらず、質感も重要な表現要素です。
2日間にわたる議論の結果、主要なトレンドがまとめられ、ワークセッションでのアイデアからインターカラーレンジとその世界観が作成されます。
こうして議論されてまとめられたカラーの世界観が、トレンドカラーとして世界中に発信されます。
この流行色の発表を受けて、インターカラーの日本代表としても参加する日本流行色協会(JAFCA)が、日本向けの流行色を発表します。発JAFCAが発信する日本のトレンドカラーは、レディースウェア、メンズウェア、プロダクツ&インテリの分野別に選定され、インターカラーと同様に世界観のあるカラーテーマとして発信されます。
そしてこのトレンドカラーをもとにして、アパレルメーカーなどが商品企画を練り、実シーズン向けの素材や配色が決められ、実シーズンの約1年前には素材の展示会が開催、約半年前には展示会や発表会が開催されたのちに生産に入ります。こうして実シーズンになると流行色の商品が店頭へ並び、私たち消費者に届けられるのです。
JAFCAが提案する「2022-23年秋冬のプロダクツ&インテリア分野」におけるカラーテーマは「“Eternal”エターナル」。「私たちが住める星として、地球を永遠に受け継いでいきたい」という願いが込められたテーマとなっています。
カラーパレットでは、安心感を与えてくれる大地のカラー「ECO Composite エココンポジット」や、老若男女問わず、優しい気持ちになれる空間を生み出す「Effortless エフォートレス」といったカラーが並びます。
今まさにSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が求められている時代であり、世間ではエシカル消費やサステナブルに興味関心を持つ人々も増えてきています。そうした人々の感覚にマッチしたテーマカラーとなっているのではないでしょうか。
(出典:一般社団法人 日本流行色協会)
(出典:一般社団法人 日本流行色協会)
私たちのライフスタイルや環境から、あらゆる表現の議論を重ねて生み出される流行色。約2年前からトレンドを作っていくので、実際に消費者に受け入れられるかどうかは、実シーズンを迎えてみないと分からないこともあります。
とはいえ、次世代のトレンドや風潮をカラー表現で的確につかむことができるのが流行色の特長。今の時代は鮮やかな色みが求められているのか、落ち着いたムードが求められているのか、環境に意識が向いているのか、そうしたトレンドは消費者心理と繋がっているので、日々の営業や提案に活用することができます。流行色を知り、時代の流れを知ることで、いままでとは違った感覚(=センス)が磨かれていきます。ぜひ流行色をスキルアップとして活用してみてください。
JAFCA公式サイトでは、最新から過去10年分のカラートレンドを見ることができます。
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