2022年5月、インテックス大阪で開催された「第9回[関西]高機能素材Week」の取材レポート。「第5回[関西]コーティング ジャパン(塗料・塗装設備展)」後編。
非接触で膜厚測定をする「Coatmaster Flex」のデモンストレーションを行っていた。非接触のため、溶剤塗装で硬化前、粉体塗装で焼付前に膜厚の管理が可能となる。
従来の膜厚計では、塗料が硬化してからでなければ膜厚の測定ができなかった。膜厚が足りない場合は、工程の差し戻しで塗装し直さなければならない。その手間をさけるため、規定より厚く塗装するケースも多いという。
測定原理は、光熱放射法である。照射される赤外線分を含む光パルスにより、試料のコーティング層が熱を持つ。そのときに発生した幅射熱を赤外線センサーで計測する。赤く照射された複数円の中心の膜厚を計測するが、測定部を狭めればピンポイントの膜厚を、広くとれば膜厚の平均値を読み取る。
溶剤塗装した硬化前の膜厚400μまで、硬化後であれば1000μまで測定できる。
的確な膜厚で塗装できれば、無駄な塗料の使用量を削減できるメリットもある。材料費が高騰する中で、コスト削減の一助となるだろう。
「Coatmaster Flex」は、8つの赤い円に囲まれた中心の膜厚を計測する
水性つや消しメタリック調アクリルシリコン塗料「フェロブリエ」は、高意匠、高耐候性、低汚染性、防藻/防カビ性に優れ、内外塗装用塗料として重要な特性を十分にカバーしているという。
特殊シリコン樹脂が組みこまれており、紫外線にも安定かつ緻密で強靭な塗膜を形成する。独自の高耐候処方によりラジカルの発生を抑制することで長期耐久性を実現した。期待耐用年数は10~15年。
塗装方法は、吹付だけでなくローラーでの塗装も可能で容易に塗装ができる。完全水性のため臭気が少なく、作業環境改善に貢献するという。
住宅用内外装用塗料「fervriller(フェロブリエ)」
開発中の高生産性・光輝メタリック塗料も展示。一般的な光輝メタリック塗料は、高い輝度を出すためには薄く何度も塗り重ねる必要がある。当社の場合は通常の半分の工程で同等の輝度を出せるという。今年度中の商品化を目指すという。
今後は自社製品に対してバイオマス由来の原料を増やしていき、環境に考慮した製品づくりをしていく。乾燥温度を従来80度30分間を70度10分間と、低く短くすることでCO2の削減も目指すそうだ。
開発中の高生産性・高輝度メタリック
高生産性・高輝度メタリックの塗装事例。従来の塗装工程を短縮できる。
関西ペイント(株)は長期課題として、脱炭素の実現や、機能性塗料によるQOLの向上を掲げていた。
建築塗料は、機能性をうたったものを複数展示。
消石灰の効能によるウイルス感染力低減効果がある「しっくい塗料アレスシックイ」は、ハケやローラーで簡単に塗装が可能。塩ビクロスの上から塗装することもできるため、塗るだけで抗菌・抗ウイルス、 防カビ、消臭機能などさまざまな機能を付与できる。
コロナ以前から、抗菌作用のある塗料を扱っていたが、コロナ禍で医療機関や学校、一般家庭での需要が増えたため、ドアノブや手すりなどの普段よく触る箇所に貼るだけで、接触感染対策が可能なシートを開発し販売をはじめた。
専門的な施工知識は不要で、必要な大きさに切って貼るだけで抗菌対策ができる。交換目安は約半年で、頻繁に貼りかえる必要はないという。
ウイルス感染力低減効果がある「しっくい塗料アレスシックイ」
接触感染対策テープ
接触感染対策テープ。長さは0.5m, 5m,130mの3タイプが用意されている
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